【作者】不詳
【季節】春(二月)
【所】播磨・高砂の浦→摂津・住吉
【物語】
肥後阿蘇神社の神主友成は、旅の途中、播磨国高砂も浦に立ち寄ると老翁と老婆が来て松の木陰を掃き清めるので、高砂の松とはどの木か尋ね、高砂・住の江の松は国を隔てた土地であるのになぜ相生の松というのかと問うた。老翁は、今木陰を清めているのが高砂の松で、山川万里を隔てても夫婦の愛は通い合うものと言いい高砂・相生のいわれをのべ、さらに松についてめでたい故事をあげ、自分らは、高砂・住の江の相生の松の精が夫婦として現れた姿で、住吉にて待つといい、舟で沖へ消えた。 〈中入〉
友成も浦人の舟で住の江に着くと、住吉明神が出現し、春景色を賞し、御代を祝って舞を舞う。民の安全と君の長寿を念願し、松吹く風の音に平和な響きを楽しむ。